正しい糖質制限
糖質制限(ローカーボ)ダイエットには、様々な方式、流派があります。
どの方式が正しいんでしょうか?
よく聞かれます。
例をあげると、「アトキンス式ダイエット」、「パレオダイエット」、「プライマルブループリントダイエット」、「ゾーンダイエット」、「ケトジェニックダイエット」、「ファットアダプト」… 。多分、もっとあります。
正直にお話すると、「これが正しい!」と言えるものはありません。
ロカボ倶楽部では、様々な糖質制限(ローカーボ)ダイエットについての最新情報を提供していきます。
食品業界に騙されるな!
あなたは食品を選ぶ時に「脂肪ゼロ」「低脂肪」と表示された商品を選んでいませんか?
これは食品業界のマジックワードで、「脂肪ゼロ」「低脂肪」だと体にいいのではなく、そのように表示した方が売れるからなんです。
それと、例えば普通の「ヨーグルト」と「脂肪ゼロヨーグルト」と2つの商品を出した方が、スーパーの棚の面を広く押さえて他社の商品を締め出すことができるという事情からなんです。もちろん、2つ選択肢を並べれば、どちらかは買うだろうという心理的な効果も狙っています。もうひとつ、最近は「糖質ゼロ」「低糖質」も食品業界のマジックワードとして戦略的に使われています。
これはいい兆候です。
食品業界もようやく脂肪悪者説から糖質悪者説にターゲットを変えてきたようです。脂肪の摂り過ぎで太るわけではない
肥満の指標とされる体脂肪率は、体の中の体脂肪量を体重で割った数値です。
この体脂肪を減らすのに、脂肪を控えた方がいいと考えるのは自然な発想です。しかし、それは違うんです。体脂肪は人間の体にとって、消費カロリー量を超えた糖質を脂肪に変換して貯蔵する体の大事な仕組みです。
摂取した糖質は消化されてブドウ糖(グルコース)と変わり、全身の細胞内のミトコンドリアのエネルギーとして使われますが、グルコースはそのままの形で保存できないため、余ったグルコースは糖代謝という仕組みで体脂肪に変換されて将来の飢餓に備えて蓄えられます。糖質制限もいろいろあるけど、何が正しいの?
糖質制限の重要性を最初に世の中に広めたのは、ロバート・アトキンスです(著書『アトキンス式低炭水化物ダイエット』1972年)。アトキンス式はハイファット・ローカーボ(高脂質・低糖質)を基本とし、1日に摂取する糖質を20g以下に制限するという極端な方式でした。
1日20gがどのくらい極端かというと、市販の「サトウのごはん」(200g)の糖質量は67.8gです。アトキンス式を実行しようとすると、ご飯や麺類、お菓子類を完全にカットしなければならなくなります。
実際にカットしても体を悪くするような問題はありませんが、絶対にカットしなければならないというものでもありません。その後、様々な糖質制限ダイエットの流派が起こり、流行り廃りがあります。主なものをあげると、「パレオダイエット」、「プライマルブループリントダイエット」、「ゾーンダイエット」、「ケトジェニックダイエット」、最近ではサッカーの長友佑都選手が「ファットアダプト」という新しい名前のダイエットを提唱したりしています。
ここでは、それぞれを詳しくは紹介はできませんが、興味がある方はネットで調べてみてください。ケトジェニックダイエットについて
2015年に米国のデイヴ・アスプリーの著書『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』が日本でも発売され、続編の『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』と合わせて20万部以上のベストセラーになったので、ケトジェニックダイエット(ケトダイエット)という言葉はある程度普及したと思います。
内容的には特に新しいものではなく、1972年にアトキンスが唱えた糖質制限と同じで、グルコースに代えてケトン体をエネルギーとして使うという内容です。ここで初めて「ケトン体」という言葉を聞いた人には、何か謎めいた怪しい物質のように聞こえるかもしれません。それと日本語だと何か獣臭いような響きもあってちょっと怖いイメージではないでしょうか。
もちろん、怖くありません。
ケトン体とは、アセトン(C3H6O)、アセト酢酸(C4H6O3)、β-ヒドロキシ酪酸(C4H8O3)という3つの物質の総称です。ケトンという呼称は、分子構造の名前であって物質の名前ではありません。
化学式を記したのは難しい説明のためではなく、その組成に何か特殊な元素が入っている訳ではないことを分かって欲しいからです。簡単に言うと、ケトン体とは、ブドウ糖(グルコース)が無くなった状態の時に肝臓細胞内のミトコンドリアが脂肪酸から作り出す物質で、ブドウ糖(グルコース)と同じように全身の細胞でエネルギーとして使われるものです。
これまで、脳のエネルギー源となるのは脳関門を通るブドウ糖(グルコース)だけだとされていたのが、ケトン体も脳関門を通ることが分かっています。
ですので、糖質が切れると頭がぼーっとするというのは嘘で、単に体が糖質を欲しがっているだけなのです。糖質には脳内麻薬のエンドルフィンを出す強い依存性があります。ケトン体、ケトン体回路については、全ての糖質制限ダイエットに共通する基本ロジックなので、正しく理解しておきましょう。
もっと詳しくケトン体について学習したい方は、医師の宗田哲男さんの著書『ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか』(光文社新書) をご一読ください。結局、正しい糖質制限とは?
様々な糖質制限ダイエットがありますが、その違いはどの程度まで糖質を制限するかの違いだけです。
大事なのは、自分の体と正面から向き合って経過を管理していくことです。
ちなみに、サッカーの長友佑都選手は、極端なケトジェニックダイエットをやった後に、ゆるやかな糖質制限、バランスを重視したダイエットに切り替えています。
長友選手はスポーツ選手ですし、人それぞれの体質や職業、ライフスタイルに合わせた制限の仕方があります。まずは、1日の栄養摂取の内、糖質を40%以下にしましょう。
糖質の上限を40%というのは、三大栄養素の「たんぱく質(P)」「脂質(F)」「糖質(C)」のバランスの内、糖質(C)の割合を40%以下にするということ。 仮にPFCバランスを、P30%、F30%、C40%を基準にすると、平均的な成人女性の1日当たりカロリー摂取基準2,000kcalの内訳は下記のようになります。ここで前述の「サトウのごはん」の栄養バランスと量を前提に考えると、1日3食「ごはん」を食べるとそれだけで上限値の200gを超えてしまいます。
最低1食は、プロテインドリンクなどに置き換えることから始めていきましょう。糖質を正しく管理する
正しい糖質制限のために最も大事なのは、計測、管理です。
カロリー計算や栄養の計算までは、ひとまずは必要ありません。
ただ、自宅に体組成計を買ってください。「体重計」ではなく、「体組成計」です。
体組成計は、体重だけでなく体脂肪率や内臓脂肪率を計測できる、ダイエットには欠かせないツールです。
お薦めしたいのは、ブルートゥースでスマホと連動できるタイプのものです。
なぜスマホとの連動が必要なのか、データの管理と分析がしやすいからです。
タニタやオムロンから発売されているので、ここで1万円〜2万円の投資はケチらずにやってください。体組成計を準備できたら、後は毎日体組成計に乗ること。それがダイエットです。
ダイエットという言葉は「痩せる」という意味だけではありません。「見直す」「考えて組み替える」という意味もあります。
英語で国会のことをダイエット(Diet)、国会議員のことをダイエットメンバー(Diet Member)と呼ぶのは、この「考えて組み替える」という意味なんです。
決して「痩せたい人達」という意味ではありません(笑)。日々の食事、運動の結果が、体組成計、スマホに記録されていきます。
数値がよくなったり、悪くなったりします。その数値をみながら食事を見直したり、運動の仕方を見直していけばいいんです。
とりあえず、この体組成計とにらめっこすることが、ロカボ倶楽部が考える「正しい糖質制限」です。詳しくは、『ロカボ倶楽部オリジナルダイエットマニュアル』(Kindle版)や、その他の方の著書を読んで学習してください。
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* PFCバランスチェッカーは、朝食、昼食、夕食、間食を含めた食事ごとに、摂取したタンパク質(P)、脂質(F)、糖質(C)のグラム数を入力することで、1日の標準摂取量との「PFCそれぞれの過不足」、「PFCのバランス」を一目で分かるようにした食事栄養管理、ダイエットに絶大な効果を発揮するスマホアプリです。
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